老化、疾病、事故等により失われた人体機能の代替としての医療用デバイスに使用される金属材料について、具体例を示しながら必要性や今後の課題をまとめた資料。全6章から構成されており、各章に引用文献と参考資料、巻末に索引が付されている。第1章では、医療用デバイスに使用されている金属材料の種類、医療用材料に必要な性質といった医療用金属材料の特色と現状について概説しており、第2章では、整形外科、循環器科、歯科で使われている医療用デバイス(人工関節、カテーテル、歯科インプラント等)について、データや写真を示しながら用途を紹介している。第3章では、歯科インプラントでの細菌の付着、胸骨ワイヤーの人体中の腐食のように、感染症、金属アレルギー、腐食、摩耗、破壊等、医療現場で金属が引き起こす問題点について解説している。第4章では、医療用金属材料として使用されるステンレス鋼、コバルト・クロム合金、チタン・チタン合金など、金属の種類ごとにその特性や開発動向等について詳述している。第5章では、製造プロセスにおいて、生体適合性や生体機能性を付与することができない金属材料に用いられる表面処理法、生体用金属材料の形態制御法としての多孔質体作製方法について解説している。第6章では、金属材料が生体組織と接触した状態や人体環境を意識した材料評価等、生体環境での性質と評価法について記述している。